「自家製の焼き豚を作ってみたいけれど、オーブンとフライパンのどちらを使えばいいのか分からない」「どの部位を選べばよいのか分からない」——焼き豚は、使う器具と部位、そして中心温度の管理で仕上がりが大きく変わります。日本食品標準成分表(文部科学省)によると、かたロース(脂身つき・生)の脂質は100gあたり19.2g、ばら(同)は35.4gで、約1.8倍の差があります。
本記事では、厚生労働省が示す中心部75℃1分という安全基準と、日本食肉消費総合センター(JMI)の見解を踏まえ、肩ロースのオーブン焼きとバラ肉のフライパン蒸し焼きの2系統を、失敗の原因と対策まで整理しました。精肉の現場で行われている温度管理の考え方に沿ってお伝えします。
焼き豚レシピの基本
ラーメン屋さんのチャーシューのような、しっとりとした自家製の焼き豚を作りたいと思ったことはありませんか。いざ作ろうとすると、オーブンとフライパンのどちらが良いのか、どの部位を選べば良いのか、迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
実は「焼き豚」は文字どおり肉を「焼く」料理です。煮込む角煮とは火の通し方が異なり、しっとりと仕上げるためには加熱の温度管理が重要なポイントになります。この記事では、しっとり仕上がる温度の考え方と、肩ロースとバラ肉それぞれに合うレシピ2系統を、安全な加熱方法とあわせて整理してご紹介します。

焼き豚・煮込み・チャーシューの違い
「焼き豚」「角煮」「チャーシュー」はどれも豚の塊肉を使う料理ですが、実は調理法が異なります。この違いを最初に整理しておくと、レシピ選びで迷わなくなります。
| 料理名 | 主な調理法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 焼き豚 | オーブンやフライパンで「焼く」 | 表面に焼き色がつき、香ばしさと肉の旨みが引き立つ |
| 角煮 | 醤油やみりんなどで「煮含める」 | 長時間の煮込みでやわらかく、味がしみ込んだ仕上がり |
| チャーシュー(煮豚式) | タレで「煮る」または「蒸す」 | ラーメンの具として定番。しっとりとした食感 |
「チャーシュー」という名前は広東語で「焼いた豚肉」を意味する「叉焼(チャーシュー)」が語源とされ、本来は焼く料理です。ただし日本では、ラーメン用にタレで煮込む「煮豚」方式が広く普及しています。ラーメン用の煮豚式チャーシューの詳しい作り方は、チャーシューの作り方の記事でご確認いただけます。
一方、角煮は焼き豚とよく比較されますが、角煮は醤油や砂糖、みりんなどの調味料でじっくり煮含める料理です。焼き豚との違いは、「焼く」か「煮含める」かという調理法の違いにあります。角煮の詳しい作り方は、別の記事で詳しく解説していますので、そちらをご参照ください。
肩ロースとバラ肉の使い分け
焼き豚に使う部位の定番は「肩ロース」と「バラ肉」です。どちらも塊肉として販売されていますが、特徴が異なるため、仕上がりの好みに合わせて選ぶのがおすすめです。
日本食品標準成分表(文部科学省)によると、脂身つき生の100gあたりのカロリーと脂質は以下のとおりです。
| 部位 | エネルギー | 脂質 |
|---|---|---|
| かたロース(脂身つき・生) | 237kcal | 19.2g |
| ばら(脂身つき・生) | 366kcal | 35.4g |
この表を見ると、バラ肉は肩ロースの約1.8倍の脂質を含んでいることがわかります。日本食肉消費総合センター(JMI)の見解では、肩ロースは赤身に脂肪の網目が入り、コクが濃厚で焼き豚に向く部位とされています。一方、バラ肉は三枚肉とも呼ばれ、角煮などの煮込み料理によく使われる部位です。
- 肩ロース:赤身と脂のバランスが良く、オーブンでじっくり焼く焼き豚に向く
- バラ肉:脂が多く、フライパンでの蒸し焼きにするとやわらかく仕上がる
部位の詳しい特徴や、バラ肉の詳細な解説については、豚肉の部位の記事や豚バラの記事をご覧ください。それぞれの部位の特徴を理解したうえで、お好みに合うレシピを選ぶのがおすすめです。
肉屋の目線でひとこと。焼き豚に使うブロックを選ぶときは、脂の入り方より先に「形」を見てください。太さが均一で、なるべく筒状に近いものほど、火の通りもタレの絡みもそろいます。筋が目立つものや先端が細くなっているものは、焼き上がりに硬さのムラが出やすいです。もし形が整っていないブロックしかなければ、たこ糸で巻いて形を整えれば問題ありませんよ。
焼き豚がしっとり仕上がる仕組み
焼き豚をしっとりと仕上げるためには、なぜ温度管理が重要なのでしょうか。その理由は、肉のたんぱく質が加熱によってどのように変化するかという「肉の科学」にあります。ここでは、加熱中の肉の内部で起きていることを解説します。
加熱で肉に起きること
豚肉を加熱すると、筋繊維を構成するたんぱく質が温度に応じて段階的に変化します。肉の科学の知見によると、おおよそ次のような変化が起きると考えられています。
| 温度域(およそ) | 肉の中で起きること | 食感への影響 |
|---|---|---|
| 約40〜60℃ | 筋繊維が横方向に収縮する | 肉汁がにじみ出始めるが、大きな変化はまだない |
| 約60〜65℃超 | 縦方向の収縮が進み、水分が押し出される | 肉汁の流出が進み、パサつきの原因になる |
| 約70〜80℃ | アクチンが変性して硬さが強まる | 筋繊維が硬くなり、かみ切りにくくなる |
この表からわかるように、中心温度を上げすぎると肉から水分が押し出され、硬くなってしまいます。つまり、しっとりとした焼き豚を作るためには、肉の中心温度を必要以上に上げないことが重要なのです。
ただし、ここで注意しなければならないのが「豚肉の安全ライン」です。しっとり仕上げたいからといって加熱を途中でやめてしまうと、食中毒のリスクがあります。しっとり仕上げることと、安全に食べられることの両立が、焼き豚作りの本質といえるでしょう。
塩1%の下味と休ませの効果
しっとりとした焼き豚を作るためのテクニックとして、「塩を肉の重量の約1%ふること」と「焼き上がりに休ませること」の2つが挙げられます。
下味の塩は、肉のたんぱく質を一部溶かして保水性を高める効果があります。肉の重量の約1%の塩(400gの肉であれば小さじ1程度)をふっておくと、加熱中の水分損失が抑えられ、しっとりとした仕上がりになりやすくなります。
焼き上がり後の「休ませ」も重要な工程です。焼き上がった直後の肉は内部の肉汁が熱で膨張し、落ち着いていない状態です。ここでアルミホイルをかぶせてしばらく置くことで、肉汁が筋繊維のすき間に再分布し、カットしたときに肉汁が流れ出るのを防げます。オーブンで焼いた場合もフライパンで焼いた場合も、この休ませの時間をとることで、ジューシーな仕上がりになります。
しっとり仕上げるためのポイントをまとめると、以下のとおりです。
- 肉の重量の約1%の塩で下味をつける
- 中心温度を上げすぎない(ただし安全ラインは必ず満たす)
- 焼き上がりに10〜20分の休ませ時間をとる
- 赤身のコクと食べやすさ(脂質19.2g/100g)
- 180℃のオーブンで30〜40分・中心温度計で確認
- 薄切りにしてそのまま味わいたい方におすすめ
- 脂のジューシーさ(脂質35.4g/100g・肩ロースの約1.8倍)
- ふたをしてごく弱火で20〜25分の蒸し焼き式
- しっとり濃厚な味わいを楽しみたい方におすすめ
焼き豚の安全な加熱
しっとり仕上げるための温度管理とあわせて、絶対に外せないのが食中毒予防のための安全な加熱です。豚肉は生や加熱不足で食べると、食中毒のリスクがあります。焼き豚作りでは、見た目や焼き時間ではなく、中心温度で加熱の完了を判断することが大切です。
中心部75℃1分と等価な条件
厚生労働省は、豚肉の食中毒予防のために、中心部を75℃で1分以上加熱することを推奨しています。また、厚生労働省のQ&Aでは、75℃1分と同等の殺菌効果が得られる加熱条件として、以下の組み合わせが示されています。
| 中心温度 | 加熱時間 |
|---|---|
| 75℃ | 1分以上 |
| 70℃ | 3分以上 |
| 69℃ | 4分以上 |
| 68℃ | 5分以上 |
| 67℃ | 8分以上 |
| 66℃ | 11分以上 |
| 65℃ | 15分以上 |
この表は、低温で加熱する場合でも、中心温度を一定時間維持すれば、75℃1分と同等の殺菌効果が得られることを示しています。たとえば「中心65℃で15分」という条件は、75℃1分と同等の安全性を持つとされています。
一方で、「中心65〜68℃で取り出し」というレシピの数値は、この等価条件を満たしていない場合があり、安全不足となります。低温での加熱を選ぶ場合は、必ず上表の時間を満たすように中心温度を維持してください。また、豚の生食は法律で販売提供が禁止されています。家庭で調理する場合も、生や加熱不足での提供は避けなければなりません。
設定温度と中心温度は別物
オーブンやフライパンの設定温度と、肉の中心温度は別物です。オーブンを180℃に設定しても、肉の中心がすぐに180℃になるわけではありません。塊が厚いほど、中心まで熱が伝わるのに時間がかかります。
食品安全委員会の実測例では、牛モモ肉の塊(300g・厚さ3cm)を63℃に到達させるのに約94分、より大きな塊(760g・厚さ6cm)を70℃に到達させるのに180分かかったというデータがあります。豚肉でも同様に、塊の大きさや厚みによって中心温度の到達時間は大きく変わります。
また、「表面を焼いてアルミホイルで放置する」という方法は、中心温度が十分に上がらず危険であると食品安全委員会は注意を促しています。表面に焼き色がついたからといって、中心まで加熱されたとは限りません。
安全な焼き豚を作るためには、中心温度計を使って肉の中心部の温度を直接確認することが確実です。焼き時間の目安はあくまでも目安として、中心温度計での確認を習慣づけましょう。
加熱が進むと肉の中で次のような変化が起きます。中心温度の管理がしっとり感を左右します。
- 約40〜60℃:筋繊維が横方向に収縮(ミオシンの変性)
- 約60〜65℃を超えると:縦方向の収縮が進み、水分が押し出されやすい
- 約70〜80℃:アクチンの変性で硬さが強まる
つまり「中心を上げすぎない」ことがしっとりの条件ですが、豚肉では安全ライン(中心75℃1分または等価条件)を必ず満たすことが前提です。
肩ロースのオーブン焼き豚レシピ(4人分)
それでは、具体的なレシピをご紹介します。まずは、肩ロースをオーブンで焼く方法です。赤身と脂のバランスが良い肩ロースは、オーブンでじっくり焼くことで香ばしく、コクのある焼き豚に仕上がります。キッコーマンのレシピをベースにした、家庭で作りやすい方法です。
オーブン焼き豚の材料と下ごしらえ
4人分の材料は以下のとおりです。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 豚肩ロースかたまり肉 | 400g |
| 塩 | 肉の重量の約1%(400gで小さじ1程度) |
| 醤油 | 大さじ5 |
| みりん | 大さじ5 |
| 砂糖 | 大さじ3 |
| おろししょうが | 小さじ1 |
| おろしにんにく | 小さじ1 |
下ごしらえの手順は以下のとおりです。
漬け込み時間は一晩(6〜24時間)が基本です。ただし、24時間を超えて漬け込むと塩辛く締まった仕上がりになるため、注意してください。
- 塩は肉の重量の約1%をすり込んだか(400gなら小さじ1程度)
- フォークで数カ所穴をあけ、たこ糸で形を整えたか
- タレに一晩(6〜24時間)漬け込んだか(24時間超は塩辛くなる)
オーブンで焼く手順
オーブンで焼く手順は以下のとおりです。
オーブンの温度については、複数のレシピを比較すると、180℃が焦げとパサつきのバランス点といえます。キッコーマンのレシピでは180℃で30〜40分、Nadiaのレシピでは180℃で計50分、ヤマサのレシピでは200℃で45分という例があります。ただし、これらの時間はあくまでも「例示」です。
重要なのは、中心温度計で肉の中心部が75℃に到達していること(または等価条件を満たしていること)を確認することです。オーブンの機種や肉の形状によって加熱時間は変わるため、焼き時間は目安として、必ず中心温度計での確認を行ってください。
焼き上がりの休ませ時間は20分が目安です。この間に肉汁が落ち着き、カットしたときに肉汁が流れ出るのを防げます。
バラ肉のフライパン焼き豚レシピ
次に、バラ肉をフライパンで蒸し焼きにする方法です。バラ肉は脂が多い部位ですが、フライパンで蒸し焼きにすることで、余分な脂が落ちてやわらかく仕上がります。オーブンがないご家庭でも手軽に作れる方法です。
フライパン焼き豚の材料と下ごしらえ
材料は以下のとおりです。
| 材料 | 分量 |
|---|---|
| 豚バラかたまり肉 | 500〜600g |
| 塩 | 肉の重量の約1% |
| 水 | 100ml |
| 醤油 | 大さじ5 |
| みりん | 大さじ5 |
| 砂糖 | 大さじ3 |
| おろししょうが | 小さじ1 |
| おろしにんにく | 小さじ1 |
下ごしらえは、肩ロースの場合と同様に、フォークで数カ所穴をあけ、塩をすり込みます。バラ肉は脂が多いため、たこ糸で縛らなくても形が崩れにくいですが、お好みで縛っても構いません。
蒸し焼きとタレ絡めの手順
フライパンでの調理手順は以下のとおりです。
フライパンで蒸し焼きにする場合も、オーブンと同様に中心温度の確認が欠かせません。蒸し焼きの時間は20〜25分が目安ですが、肉の厚みによって必要な時間は変わります。中心温度計で確認することが安全への近道です。
バラ肉は脂が多いため、焼き上がり後に余分な脂を拭き取ると、さっぱりとした味わいになります。お好みで調整してください。

焼き豚のタレの配合
焼き豚の味を決めるのは、なんといってもタレです。市販のタレを使うのも手軽ですが、自家製のタレなら好みの味に調整できます。ここでは、複数のレシピを照合して見えてきた「黄金比の傾向」をご紹介します。
タレの基本の配合
複数のレシピを比較すると、焼き豚のタレには2つの系統があることがわかります。1つは「漬け焼き系」、もう1つは「キッコーマン系」です。
| 系統 | 配合(醤油:みりん:酒:砂糖) | 特徴 |
|---|---|---|
| 漬け焼き系 | 2:2:2:1 | 酒が入り、風味豊かで上品な甘さ |
| キッコーマン系 | 5:5:0:3(醤油:みりん:砂糖) | みりんの甘みと照りが特徴 |
この2つの系統を整理すると、「醤油とみりんを同量にして、砂糖をその半分にする」という共通の軸が見えてきます。漬け焼き系では醤油とみりんと酒を同量(2:2:2)にし、砂糖を1にしています。キッコーマン系では醤油とみりんを同量(5:5)にし、砂糖を3にしています。
つまり、基本の配合は「醤油とみりんを同量、砂糖はその半分」と覚えておけば、好みに合わせてアレンジしやすくなります。甘めが好きな方は砂糖を少し増やし、辛めが好きな方は砂糖を減らすなど、自分好みの配合を見つけてみてください。
アレンジ
タレには、おろしにんにくやおろししょうがを加えるのが定番です。これらは肉の臭みを消し、風味を豊かにする効果があります。分量の目安は、醤油・みりんが各大さじ5の場合、おろしにんにく・おろししょうがを各小さじ1程度加えると、ほどよい風味になります。
また、砂糖の代わりにはちみつを使うレシピもあります。はちみつは砂糖よりも甘みが強く、照りも出やすいのが特徴です。ただし、はちみつは焦げやすい性質があるため、オーブンで焼く場合は焦げに注意が必要です。高温での加熱時間が長い場合は、砂糖を使うか、はちみつの量を控えめにするのがおすすめです。
タレの配合を変えると味わいが大きく変わるため、まずは基本の配合で作ってみて、そこから好みに合わせて調整すると失敗が少なくなります。
焼き豚の失敗と対策
焼き豚作りでよくある失敗には、「パサつく」「焦げる」「味が染みない」「固い」の4つがあります。それぞれの原因と対策を整理しました。
失敗の原因と対策の診断表
| 失敗の症状 | 考えられる原因 | 対策 |
|---|---|---|
| パサつく | 加熱しすぎ(中心温度が上がりすぎ) | 中心温度計で確認し、中心を75℃1分(または等価条件)に抑える |
| 焦げる | オーブンの温度が高い・タレの糖分が多い | 180℃を目安にし、アルミホイルをかぶせる |
| 味が染みない | 漬け込み時間が短い・フォークの穴が足りない | 一晩(6〜24時間)漬け込む・フォークで数カ所穴をあける |
| 固い | 加熱しすぎ・部位選びのミス | 中心温度を管理する・肩ロースやバラ肉を使う |
失敗の多くは「加熱しすぎ」に起因します。焼き時間が長ければ良いというわけではなく、中心温度を適切に管理することが、しっとりやわらかな焼き豚への近道です。中心温度計を1本持っておくと、焼き豚だけでなくローストビーフや鶏肉料理など、さまざまな肉料理で役立ちます。
また、「味が染みない」と感じる場合は、漬け込み時間の見直しとあわせて、フォークで穴をあける工程を丁寧に行うと改善しやすくなります。肉の繊維に沿って穴をあけると、タレが浸透しやすくなります。
漬けダレの取り扱い
焼き豚作りで特に注意したいのが、漬けダレの取り扱いです。肉を漬けていたタレには生肉の汁が混ざっているため、そのままの状態で使うと食中毒のリスクがあります。
漬けダレを使う場合は、必ず沸騰させてから使ってください。沸騰させることで殺菌され、安全にソースとして使えます。また、煮詰めることでとろみがつき、照りも出るため、仕上げのソースとしても使いやすくなります。
一方で、使い回し(一度使ったタレを別の肉に使い回すこと)は禁止です。生肉に触れたタレには細菌が付着している可能性が高いため、使い回しは食中毒の原因になります。使い回しをする場合は、必ず沸騰加熱してから新しい肉に使うようにしてください。
- 中心温度を確認せず時間だけで焼き上げる(厚い塊ほど中心到達が遅れる)
- 糖分の多いタレを高温で最初から塗って焼く(焦げの原因)
- 焼き上がりをすぐに切る(肉汁が流れ出てパサつく)
焼き豚の保存と再加熱
焼き豚は作り置きにも向いていますが、正しい方法で保存しないと品質が落ちてしまいます。ここでは、焼き豚の保存方法と再加熱のポイントを解説します。
冷蔵3〜4日・冷凍2〜3か月
焼き豚の保存期間の目安は、米国農務省(USDA)の情報によると、冷蔵で3〜4日以内、冷凍で2〜3か月(品質の目安)とされています。調理後は2時間以内に冷蔵するのが基本です。
保存のコツは、焼き豚をタレに浸した状態で保存すると乾燥しにくいことです。焼き上がりの焼き豚は、カットせずに塊のまま保存するのがおすすめです。カットすると断面から乾燥しやすくなるため、食べる直前にスライスするのが良いでしょう。
| 保存方法 | 期間の目安 | ポイント |
|---|---|---|
| 冷蔵 | 3〜4日以内 | タレに浸した状態で密閉容器に入れる |
| 冷凍 | 2〜3か月(品質の目安) | スライスしてからラップで包み、冷凍用袋に入れる |
冷凍する場合は、使いやすい大きさにスライスしてからラップで包み、冷凍用保存袋に入れると、解凍もしやすく便利です。冷蔵庫での自然解凍がおすすめですが、急ぐ場合は流水で解凍しても構いません。
再加熱とスライス
保存した焼き豚を再加熱する場合は、中心部まで75℃1分以上加熱してください。電子レンジで加熱する場合は、加熱ムラを防ぐために、一度取り出してかき混ぜるか、ラップをかけて加熱すると良いでしょう。
スライスするときのポイントは、肉の繊維を断つように切ることです。繊維に沿って切ると、かみ切りにくく、固く感じます。繊維を断つように包丁を入れると、口当たりがやわらかくなります。また、包丁はよく研いだものを使い、一気に引くように切ると、きれいな断面に仕上がります。
焼き豚のリメイク
作り置きした焼き豚は、そのまま食べるだけでなく、さまざまな料理にリメイクできます。ここでは、定番のリメイク方法をご紹介します。
定番のリメイク
焼き豚のリメイクで人気なのが、以下の3つです。
- 焼き豚丼:温かいごはんにスライスした焼き豚をのせ、煮詰めたタレをかけるだけ。温泉卵や青ねぎをのせると彩りもきれいです。
- 焼き豚サンドイッチ:薄めにスライスした焼き豚を、レタスやきゅうりと一緒にパンにはさみます。粒マスタードを塗ると味が引き締まります。
- 炒飯:細かく刻んだ焼き豚を炒飯の具にします。焼き豚の旨みと脂が炒飯にコクを与えます。
焼き豚は味がしっかりついているため、そのまま具材として使うだけで、手軽に本格的な味わいの料理に早変わりします。余った焼き豚を冷凍しておけば、忙しい日の強い味方になります。
ラーメンにのせる場合
自家製の焼き豚をラーメンにのせたいという方も多いでしょう。焼き豚をラーメンの具として使う場合は、薄めにスライスして、食べる直前にのせるのがおすすめです。スライスした焼き豚をスープで軽く温めると、脂がほどよく溶けて風味が増します。
ただし、ラーメン用のチャーシューには、煮豚式のしっとりとした食感が合う場合もあります。煮豚式のチャーシューの作り方や、ラーメンに合う味付けについては、チャーシューの作り方の記事で詳しく解説しています。焼き豚と煮豚式チャーシューを使い分けると、料理の幅が広がります。
よくある質問(FAQ)
Q1. オーブンとフライパン、どちらで作るのがおすすめですか?
A. どちらでも本格的な焼き豚を作れます。オーブンは大きな塊肉を均一に加熱でき、香ばしい焼き色がつきやすいのが特徴です。フライパンは蒸し焼きにするため、脂の多いバラ肉をしっとり仕上げるのに向いています。ご自宅の設備やお好みの仕上がりに合わせて選ぶと良いでしょう。
Q2. 焼き豚は何度で何分焼けば良いですか?
A. オーブンの場合は180℃で30〜40分が目安です。フライパンの場合はごく弱火で20〜25分の蒸し焼きが目安です。ただし、これらの時間はあくまでも目安であり、肉の大きさや厚みによって変わります。中心温度計で中心部が75℃1分(または等価条件)を満たしていることを確認してください。
Q3. 焼き豚にはどの部位がおすすめですか?
A. 肩ロースとバラ肉が定番です。肩ロースは赤身と脂のバランスが良く、オーブン焼きに向いています。バラ肉は脂が多い分、しっとりとした食感で、フライパンの蒸し焼きに向いています。JMIの見解では、肩ロースは赤身に脂肪の網目が入り、コクが濃厚で焼き豚に向くとされています。
Q4. 焼き豚をしっとり仕上げるコツは?
A. 3つのポイントがあります。1つ目は、肉の重量の約1%の塩で下味をつけること。2つ目は、中心温度を上げすぎないこと(ただし安全ラインは必ず満たす)。3つ目は、。中心温度は、豚肉の場合75℃で1分以上(70℃3分なども同等条件)を必ず満たしてください。中心温度計で確認するのが確実です。
Q5. 焼き豚の漬けダレは再利用できますか?
A. 生の肉に触れた漬けダレをそのまま使うのはやめてください。二次汚染のリスクがあります。どうしても使いたい場合は、必ず1〜2分沸騰させてから仕上げのソースにしてください。それ以外の用途(炒め物の味付けなど)に転用する場合も、同じように加熱してから使うのが基本です。
Q6. 焼き豚はどのくらい保存できますか?
A. 調理後は2時間以内に冷蔵し、冷蔵で3〜4日以内に食べ切るのが目安です(アメリカ農務省の指針)。タレに浸した状態で保存すると乾燥しにくくおいしく保てます。冷凍する場合は2〜3か月が品質の目安で、スライスしてから小分けに冷凍すると使いやすくなります。再加熱するときは中心部までしっかり温めてください。
まとめ
焼き豚をしっとり仕上げるポイントは、「部位」「塩の下味」「中心温度」「休ませ」の4つに集約できます。チェックリストにまとめました。
焼き豚作りのチェックリスト
- 部位:赤身のコクなら肩ロース・ジューシーさならバラ肉。塊の形が均一なものを
- 塩の下味:肉の重量の約1%の塩をすり込み、一晩タレに漬け込む
- 中心温度:しっとりさせるために高くしすぎない(安全ライン=中心75℃1分は必ず満たす)
- 休ませ:焼き上がりに10〜20分(オーブン式はアルミホイルで)休ませてから切る
焼き豚のしっとり感は「焼き時間の長さ」ではなく「中心温度の管理」で決まります。中心温度計を1本使うだけで、仕上がりの安定感がまったく変わります。
関連記事の案内
焼き豚づくりに関連する記事を紹介します。
- 豚バラ:バラ肉の部位の特徴と選び方
- 豚肉の部位:豚肉全体の部位ガイド
- チャーシューの作り方:ラーメンにのせる本格チャーシューの作り方
自分で作る時間がないけれど本格的な焼き豚を味わいたい方は、チャーシューのお取り寄せもおすすめです。厳選した通販商品を紹介しています。
今あるものを、そのままお届けする準備をしています。Coming Soon詳しく見る →

コメント