「圧力鍋なら30分でできると聞いたけれど、レシピサイトによって15分・21分・30分とバラバラで、どれを信じればいいのか分からない」「加圧したのにパサついてしまった」——「30分」という言葉が指す範囲は、レシピによって違います。ティファール公式の「30分」は準備・予熱時間を含まない加圧設定時間のみを指し、パナソニックは総時間で約50分、アイリスオーヤマは1時間5分。
本記事では、豚バラは高圧15〜20分、肩ロースは電気圧力鍋で15〜21分という部位別の目安を、メーカー公式レシピとJMI(日本食肉消費総合センター)の知見、農林水産省・厚生労働省の資料をもとに整理しました。精肉の現場で部位を見る目線も交えながら、失敗しない加圧時間の決め方を解説します。
圧力鍋チャーシューの「30分」の正体
ラーメン屋さんのチャーシューを家で作りたいけれど、普通の鍋だと1時間近く火にかけっぱなしは無理。圧力鍋なら30分でできると聞いたけれど、本当なのでしょうか。何分加圧すればいいのか、レシピサイトによって「15分」「21分」「30分」とバラバラで、どれを信じればいいのか迷ってしまいます。
圧力鍋のチャーシュー(煮豚)レシピは数多くありますが、「30分」の意味や加圧時間はサイトによってバラバラです。この記事では、メーカー公式レシピの実例を照合して、加圧時間の目安と、しっとり仕上げるための手順を整理しました。まずは「30分で完成」という言葉の正体から見ていきましょう。

「30分」が指す時間はレシピで3通り
「圧力鍋で30分」という表現は、実は3通りの時間を指しています。レシピによって「30分」の意味が違うため、同じ「30分」でも完成までの道のりがまったく異なるのです。メーカー公式の表示を確認すると、その違いがはっきりと分かります。
| 表示の種類 | 実例 | 注意点 |
|---|---|---|
| 加圧設定時間のみ | ティファール公式「チャーシュー」の30分 | 準備や予熱時間は含まないという注記つき |
| 総調理時間 | パナソニック約50分・約1時間20分、アイリスオーヤマ1時間5分 | スタートからふたを開けられるまでの時間 |
| 説明書の加圧時間 | Cook4Meの21分+蒸らし20分 | 予熱完了後、圧力調理がスタートしてからの時間 |
この表を見ると、「30分で完成」という言葉は加圧設定時間だけを指しているケースが多いことが分かります。ティファールの公式レシピでも、「表示の30分は準備・予熱時間を含まない」という注記が添えられています。つまり「30分」は加圧にかかる時間であって、材料を入れてから完成するまでの総時間ではないのです。
圧力鍋の時短は「手を離せる時間」
電気圧力鍋の総調理時間は、予熱と加圧と自然減圧をすべて含めると50分〜1時間20分が実勢です。パナソニックの公式表示では、肩ロース900gの煮豚が約50分、オートクッカーのチャーシューが約1時間20分、アイリスオーヤマは1時間5分と表示されています。一見すると「30分」よりずっと長く感じるかもしれません。
しかし、ここで注目したいのは時短の本質は「手を離せる時間」にあるという点です。材料を鍋に入れてスイッチを押してしまえば、あとは放置するだけ。火加減を調整しながら鍋の前で待つ必要はありません。この「手を離せる時間」こそが、圧力鍋でチャーシューを作る最大の利点です。
放置している間にできることは、たくさんあります。
- 味玉の仕込み(ゆで卵をむいて煮汁に漬ける)
- 麺をゆでる湯の準備
- 薬味のネギやメンマの盛り付け準備
- 副菜の下ごしらえ
普通の鍋で1時間火にかけっぱなしだと、その間はキッチンから離れられません。圧力鍋なら、その時間を別の作業に使えます。「30分で完成」ではなくても、「手間は数分で、あとは放置」というのが圧力鍋チャーシューの本当の価値です。
チャーシューの加圧時間
では、実際に何分加圧すればいいのでしょうか。ここで重要なのは、部位によって「失敗の形」が逆になるという点です。JMI(日本食肉消費総合センター)の知見では、柔らかい筋肉(ロース等)は煮込みすぎると繊維が縮んで硬くなり、肉汁が流出してしまいます。一方、すね・バラなど硬い部位は、コラーゲンが加熱により溶け出すことで柔らかくなる性質があります。
つまり、赤身主体の肩ロースは加圧しすぎるとパサつき、バラは加圧不足だと硬さが残るという、正反対の失敗が起こり得るのです。仕上がりの好みで部位を選び、それぞれに合った時間で加圧するのがコツです。
- 塊(400〜600g)は高圧で15〜20分が目安
- コラーゲンが溶けて、とろける食感に仕上がる
- 加圧不足だと硬さが残るので、時間はしっかりめに
- こってり系ラーメンと相性がよい
- 電気圧力鍋なら15〜21分が目安
- 加圧しすぎるとパサつくので、短めから試す
- しっとりとした赤身の食感が楽しめる
- 醤油・塩系やチャーシュー丼と相性がよい
豚バラの加圧時間
豚バラの塊(400〜600g)は、高圧で15〜20分が複数の実例で一致しています。東芝電気圧力鍋の公式「豚の角煮」では豚バラ600g(5cm幅)を15分、ナディアのガス圧力鍋レシピでは豚バラ400g塊を高圧20分としています。ミツカンの角煮レシピも20分の傾向です。
豚バラを食べやすい大きさに切った小口の場合は、もう少し短くて大丈夫です。ティファールCook4Meの公式では、豚バラ300g小口を加圧8分+蒸らし15分としています。塊のままより火の通りが速いため、加圧時間を短くして蒸らしで仕上げるのがポイントです。
肩ロースの加圧時間
豚肩ロースの塊(300〜900g)は、電気圧力鍋の設定で15〜21分が目安です。パナソニックNF-PC400の公式「煮豚」では肩ロース900g(300g×3本)を手動加圧15分、ティファールCook4Meでは豚肩ロース700gを加圧21分+蒸らし20分としています。
ここで注目したいのは、電気圧力鍋は予熱・加圧で塊の中心まで高温に達してから時間計測される機種が多く、塊の重さの影響が比較的小さいという点です。900gの塊でも15分で仕上げているパナソニックの例は、その典型といえます。ただし、これは機種の説明書次第ですので、断定はできません。お使いの鍋の説明書を最優先にしてください。
| 部位 | 肉の状態 | 加圧時間の目安 | 仕上がりのイメージ |
|---|---|---|---|
| 豚バラ | 塊(400〜600g) | 15〜20分 | とろとろでコラーゲンが溶け出した食感 |
| 豚バラ | 小口切り(300g程度) | 8〜10分+蒸らし15分 | 箸で切れる柔らかさ |
| 豚肩ロース | 塊(300〜900g) | 電気圧力鍋で15〜21分 | しっとりとした赤身の食感 |
| 豚バラ・肩ロース | 1kg超の大塊 | 10分+火を止めて放置30分〜1時間 | 余熱と減圧を活用した仕上がり |
この表はあくまで目安です。「加圧◯分なら必ず安全」という共通の分数はありません。農林水産省の資料でも、肉の厚み・量・機種・冷凍状態によって必要な加熱時間は変わるとされています。お使いの圧力鍋の取扱説明書に記載された最大量・加圧時間・液体量の下限を必ず守ってください。
- 取扱説明書が最優先:最大量・加圧時間・液体量の下限は、お使いの鍋の説明書を基準にする
- 同じ肉でも機種で時間が変わる:電気とガス、圧力の強さで設定が違う。この表はあくまで目安
- 仕上がりを見て微調整する:柔らかすぎたら短く、硬ければ5分追加。1回で決めようとしない
チャーシューの圧力鍋レシピ
ここからは、実際のレシピです。基本となる材料と手順を紹介します。分量は500〜600g用の基本形です。バラを選べばとろとろに、肩ロースを選べばしっとりと仕上がります。部位の詳しい違いは、チャーシューの作り方の記事で解説しています。
材料と煮汁の分量
圧力鍋は蒸発が少ないため、煮汁の水分は通常鍋より少なめで大丈夫です。通常鍋の基本配合(水3カップ・醤油150ml・みりん酒各1/3カップ・砂糖70g)の水を減らした形が、圧力鍋向けの配合になります。
| 材料 | 分量 | 補足 |
|---|---|---|
| 豚バラまたは豚肩ロースのブロック | 500〜600g | バラ=とろとろ、肩ロース=しっとり |
| しょうゆ | 100ml | 煮汁のベース |
| 酒 | 100ml | 臭み取りと旨味を兼ねる |
| みりん | 50ml | 照りと甘みを加える |
| 砂糖 | 大さじ2〜3 | 好みで調整 |
| 水 | 150〜300ml | お使いの鍋の最低液体量を必ず満たす |
| しょうが・長ねぎの青い部分・にんにく | 好みで適量 | 香味野菜で臭みを抑える |
ここで注意したいのが、液体量の下限です。機種によっては最低量が定められています。パナソニックNF-PC400では「調味液150g以上」と明記されています。お使いの鍋の取扱説明書に記載された液体量の下限を必ず守ってください。液体が少なすぎると、圧力がかからないだけでなく、故障や事故の原因になります。
肉屋の目線でひとこと。「圧力鍋でチャーシューを作りたい」とおっしゃるお客様には、厚みがしっかりある1枚のブロック肉をおすすめしています。煮込むと肉は縮むので、最初から薄いと仕上がりが物足りません。それと、売場で「煮込み用」と表示されたパックは、小さい切れ端を集めたものと、1枚の大きなブロックが入ったものがあります。チャーシューのようにスライスして使うなら、1枚のブロックを選ぶのがおすすめです。切れ端が混ざっていると、仕上がりの厚さがバラバラになってしまいますよ。
加圧までの手順
手順はとてもシンプルです。焼き色を付けずに作る「省略型」で紹介します。焼き色やたこ糸の省略可否については、次のセクションで詳しく解説します。
- 液体量:取扱説明書に記載された下限を満たしているか
- 加圧時間:説明書・目安表どおりの時間を設定できたか
- 減圧の時間:自然減圧で待てるか(急ぐ場合は説明書の急速減圧手順を確認)
たったこれだけです。焼き色を付けない分、工程は大幅に短縮されます。強制減圧を行う場合は、取扱説明書に従ってください。消費者庁の注意喚起でも、圧力が下がったことを確認してからふたを開けること、強制減圧は取扱説明書に従うことが強調されています。
チャーシューで省略できる工程
チャーシューのレシピを見ると、たこ糸で巻いてからフライパンで焼き色を付ける工程が載っているものが多いです。しかし、圧力鍋で作る場合、この工程は本当に必要なのでしょうか。メーカー公式レシピの実態を確認してみましょう。
公式レシピの多数派は「省略型」
結論からいうと、焼き色・たこ糸を省略して作る公式レシピが多数派です。パナソニックのNF-PC400「煮豚」とNF-AC1000「チャーシュー」の公式レシピは、どちらも結束も焼き付けも行いません。ティファールのCook4Meとラクラ・クッカーの公式レシピも同様に、たこ糸なし・焼き色なしで作る手順です。
一方で、例外もあります。アイリスオーヤマのKPC-REMA3公式レシピでは、たこ糸で巻いて焼き色を付ける正式手順を採用しています。つまり「省略してよいか」の答えは、公式レシピでも省略しているメーカーが多数派ですから、省略して問題ない、ということになります。
省略したときの仕上がりの補い方
焼き色を省略すると、香ばしさと見た目の焼き目がなくなります。この香ばしさは、煮汁を煮詰める工程で補えます。加圧が終わって肉を取り出したら、煮汁を鍋にかけてとろみがつくまで煮詰め、タレとしてかける方法です。これなら焼き色を付けなくても、香ばしい風味を楽しめます。
見た目を丸くきれいに整えたい場合や、とろとろの食感を追求したい場合は、たこ糸を巻くのがおすすめです。巻き方の詳細はチャーシューの作り方の記事で解説しています。目的別に選ぶとよいでしょう。
- 時短最優先・味重視=たこ糸なし・焼き色なしでOK
- 香ばしさ重視=煮汁を煮詰めてタレにする
- 見た目重視=たこ糸を巻いて形を整える(巻き方は通常鍋の記事で解説)
- とろとろ食感重視=たこ糸を巻いて形を整える
電気・ガスの圧力鍋チャーシュー実例
ここまでで加圧時間の目安と基本レシピを確認しました。最後に、実際のメーカー公式レシピを機種別に整理します。「何分を設定すればいいのか」の具体的な答えは、お使いの鍋のタイプによって変わります。
電気圧力鍋の実例
電気圧力鍋は、機種によって「加圧時間」の数え方が異なります。以下の表は、各メーカーの公式レシピを整理したものです。
| 機種 | 肉の種類と量 | 設定 | 総時間の目安 |
|---|---|---|---|
| パナソニックNF-PC400 | 豚肩ロース900g(300g×3本) | 手動加圧15分 | 約50分 |
| パナソニックNF-AC1000 | 豚肩ロース600g(厚さ4cm以下) | 自動メニュー(加圧時間は非公開) | 約1時間20分 |
| アイリスオーヤマKPC-REMA3 | 豚肩ロース300g | 自動メニュー | 1時間5分表示 |
| ティファール ラクラ・クッカー | 豚もも500g(250g×2) | 圧力調理30分 | 準備・予熱時間は含まない |
| 東芝電気圧力鍋(1.8気圧) | 豚バラ600g(5cm幅) | 15分 | — |
パナソニックNF-PC400の公式レシピでは、肩ロース900gを手動加圧15分に設定し、総時間は約50分です。スタートからふたを開けられるまでが約50分という意味です。また、煮豚は調味液につかった状態で冷ますという指示があります。パナソニックNF-AC1000のチャーシューは、肩ロース600g(厚さ4cm以下)を自動メニューで調理し、総時間約1時間20分。こちらも煮汁に浸けておく手順です。
ティファールのラクラ・クッカー公式「チャーシュー」は、豚もも500g(250g×2)を圧力調理30分で仕上げます。ただし、この30分は準備や予熱時間を含まないという注記つきです。調理後は蒸気排出ボタンで急速減圧して、そのまま完成としています。自社機が急速減圧の手順を公式レシピにしている場合は、説明書に従ってください。
ガス圧力鍋の実例
ガス圧力鍋は、おもりが安定して蒸気を出し始めてから(または圧力表示ピンが上がってから)加圧時間を計測するのが基本です。電気圧力鍋のように予熱時間を気にする必要はありませんが、火加減の調整は必要です。
ナディアのレシピでは、ティファールのセキュアトレンディを使用し、豚バラ400g塊を高圧20分で調理します。調理後は自然減圧して、煮汁を煮詰めて仕上げる手順です。一方、クックパッドのガス圧力鍋レシピでは、豚バラ1kgを加圧10分+火を止めたまま1時間放置する「余熱で仕上げる方式」も見られます。1kg超の大塊を扱う場合は、このように加圧時間を短くして余熱と減圧を活用する方法が有効です。
機種によって「◯◯分」の数え方が違う点は、どのメーカーの説明書でも「加圧時間の定義」として明記されています。お使いの鍋で作るときは、説明書の時間表示の意味を確認してから設定するのが確実です。
ちなみに、圧力鍋でも「煮汁に漬けて冷ます」工程が公式レシピに採用されています。パナソニックNF-PC400の「調味液につかった状態で冷ます」という指示がその代表例で、仕上げの詳しい手順は次の章で解説します。

チャーシューの減圧と仕上げ
自然減圧を基本に
加圧が終わったら、まずは減圧です。圧力鍋の基本は、自然減圧で圧が下がったことを確認してからふたを開けることです。消費者庁の資料でも、圧が下がったことを確認してから開けるよう注意が促されています。蒸気が勢いよく出ているうちに無理に開けようとすると、熱い蒸気や煮汁が噴き出してやけどの危険があります。時間に追われていても、ここは安全第一で進めてください。
一方で、機種によっては急速減圧(強制減圧)の手順が公式に用意されている場合もあります。たとえばティファールのラクラ・クッカーでは、蒸気排出ボタンを押して短時間で圧を抜く方法が取扱説明書に記載されています。自社の機種が「急速減圧」を公式レシピの手順にしているなら、その方法に従って問題ありません。ただし、後述するように、急速減圧は肉のたんぱく質が急に収縮してパサつきの原因になりうるため、どうしても時間がないとき以外は自然減圧をおすすめします。
圧力鍋でも「煮汁に漬けて冷ます」が有効
圧力鍋で加熱が終わったあとも、通常鍋と同じく「煮汁に漬けて冷ます」工程が味を決めます。各メーカーの公式レシピでも、この工程はしっかり採用されています。パナソニックのNF-PC400では「煮豚が調味液につかった状態で冷ます」、NF-AC1000では「煮汁に浸けておく」、ティファールのクックフォーミーでは「煮汁に漬け、冷ましてから保存」と案内されています。冷ましながら味がなじむ原理は、通常鍋の回で解説した内容と同じです。詳しいメカニズムはチャーシューの作り方の記事をご確認ください。
仕上げは、次の3つのパターンから選べます。どれが正解というわけではなく、その日の食べ方に合わせて使い分けるのがおすすめです。
| パターン | 手順 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ①すぐ食べる | 減圧後、そのまま切って盛り付ける | 時間がないとき(ティファール公式の最速型) |
| ②香ばしさ重視 | 煮汁を煮詰めてタレにする | 焼きラーメンや丼のたれにしたいとき |
| ③味染み重視 | 煮汁に漬けたまま冷まし、冷蔵庫で一晩置く | 翌日以降に食べるとき |
スライスするときは、肉が冷めてからにしてください。ラーメン用なら3〜5mm、厚めに食べたいときは8mm〜1cmが目安です。温かいうちに切ると崩れやすくなるのは、通常鍋で作るときと同じです。
チャーシュー圧力鍋の失敗と対策
パサつきと硬さの「逆転」
圧力鍋チャーシューで多い失敗は「パサつく」「硬い」「崩れる」「味が薄い」の4つです。ここで注目したいのは、失敗の原因が使う部位によって逆転するという点です。JMI(日本食肉消費総合センター)の知見では、柔らかい筋肉(ロースなど)は煮込みすぎると繊維が縮んで硬くなり、肉汁が流出してしまいます。一方、すねやバラなどの硬い部位は、コラーゲンが加熱により溶け出すことで柔らかくなる性質があります。つまり、肩ロースやもも肉は「加圧しすぎ」でパサつき、バラ肉は「加圧不足」で硬さが残るという、正反対の失敗が起こるのです。
| 症状 | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| パサつく | 肩ロース・ももの加圧しすぎ/急速減圧 | 加圧時間を短縮/自然減圧にする |
| 硬い | バラの加圧不足/液体不足 | 5分追加加圧/調味液を足す |
| 柔らかすぎて崩れる | 加圧しすぎ/大塊を長く放置 | 次回は12〜15分に短縮 |
| 味が薄い | 煮汁に漬ける時間が不足 | 一晩冷蔵庫で漬け込む |
「柔らかくなければ成功」と思いがちですが、チャーシューは歯ごたえが残るくらいがちょうどよい場合も多いです。とくに肩ロースで作るときは、しっとり感を残すために加圧時間を控えめにすると失敗が減ります。
加圧時間の微調整と安全
仕上がりが柔らかすぎた場合は、次回の加圧時間を12〜15分に短縮してみてください。逆に硬さが残っている場合は、5分だけ追加で加圧する方法があります。ただし、追加加圧をする前に、必ず取扱説明書で「再加圧が可能かどうか」を確認してください。機種によっては、一度冷めてからでないと再加圧できないものもあります。
液体が不足していると感じたら、調味液を足しましょう。パナソニックの機種では、機種により調味液が150g以上必要とされています。ここで注意したいのは、他機種のレシピを無断で流用しないことです。圧力鍋は機種ごとに液体量の下限が異なります。レシピ本やウェブの情報を参考にするときも、お使いの機種の説明書に記載された液体量を必ず優先してください。
安全面では、豚肉は中心部まで十分に加熱することが大前提です。中心温度75℃で1分以上の加熱が厚生労働省の指針として示されています。等価条件の詳細な表はチャーシューの作り方の記事に掲載していますので、そちらをご確認ください。また、農林水産省の資料でも「加圧◯分なら必ず安全という共通の分数はない」と明記されています。分数だけに頼らず、温度と時間の両方で管理するのが基本です。パッキンや蒸気口の点検も、お使いの鍋の取扱説明書に従って定期的に行ってください。
- 加圧時間だけで「安全」と判断しない(中心部まで加熱されているか確認する。等価条件の表は通常鍋の記事にあり)
- 圧が下がる前にふたを開けない(熱い蒸気や煮汁が噴き出してやけどの原因になる・消費者庁も注意喚起)
- 他機種のレシピをそのまま使わない(液体量の下限が機種ごとに違う。説明書を優先する)
よくある質問(FAQ)
Q1. 加圧時間はどのくらいですか?
A. バラ肉の塊500〜600gなら高圧で15〜20分、肩ロースなら電気圧力鍋で15〜21分が目安です。ただし、取扱説明書の記載が最優先です。機種や肉の大きさによって変わるため、最初は説明書の時間で試してください。
Q2. 電気圧力鍋とガス圧力鍋、どちらがおすすめですか?
A. どちらでもおいしく作れます。電気は火加減の調整が不要で放置しやすく、ガスは加圧時間が短めでスピーディーです。総時間の目安は、電気で50分〜1時間20分ほどです。「30分」という数字は、加圧の設定時間を指していることが多いと理解しておきましょう。
Q3. 焼き色やたこ糸は必須ですか?
A. 必須ではありません。焼き色は香ばしさを足すための工程で、たこ糸は形を整えるための工程です。時短を優先するなら、どちらも省略して問題ありません。仕上がりの見た目や香りにこだわりたい場合だけ取り入れてください。
Q4. 冷凍のままでも作れますか?
A. 冷凍のまま加圧すると、中心部の温度が上がるまでに時間がかかり、加熱ムラの原因になります。まずは冷蔵庫で解凍するか、軽く電子レンジで解凍してから加圧するのが安全です。時短のつもりが逆に失敗しやすいので注意してください。
Q5. 味が染みないのはなぜですか?
A. 加熱直後は肉の表面しか味がついていません。味を染み込ませるには、煮汁に漬けたまま冷まし、できれば冷蔵庫で一晩置くのが効果的です。加圧時間を長くしても味染みは改善しないので、時間を置くことを優先してください。
Q6. 圧力鍋を持っていません。どうすればいいですか?
A. 通常の鍋でもチャーシューは作れます。コトコト煮込む方法や、温度管理のコツをチャーシューの作り方の記事で詳しく解説しています。圧力鍋がない方はそちらをご覧ください。
まとめ
圧力鍋チャーシューのチェックリスト
ここまでの内容を、チェックリストにまとめました。作り始める前に一度確認すると、失敗がぐっと減ります。
- 取扱説明書の加圧時間と液体量を守る(他機種のレシピを流用しない)
- 加圧終了後は自然減圧を基本にし、圧が下がってからふたを開ける
- 煮汁に漬けたまま冷まし、できれば冷蔵庫で一晩置く
- 肉が冷めてからスライスする(ラーメン用3〜5mm、厚め8mm〜1cm)
- 中心部まで十分に加熱する(中心75℃1分以上が目安)
圧力鍋チャーシューの黄金ルートは、自然減圧→煮汁に漬けて冷ます→(できれば)一晩冷蔵庫で寝かせるという流れです。この順番を守れば、加圧時間が短くても味の染みた本格的なチャーシューが楽しめます。「30分で完成」という言葉に惑わされず、加圧時間と冷却時間を分けて考えるのが上達のコツです。
なお、部位によって失敗の傾向が逆転する点は、圧力鍋チャーシュー特有の落とし穴です。肩ロースは加圧しすぎでパサつき、バラ肉は加圧不足で硬さが残ります。使う部位を変えたときは、加圧時間も一緒に見直してください。
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