もつの種類一覧|小腸・大腸・ミノの違いと選び方

「もつって結局どこの部位のこと?」「シマチョウとテッチャンは別物?」「もつ鍋ともつ煮、どの種類を選べばいい?」── もつを前に、こんな疑問を持つ方は少なくありません。種類が多く、呼び名も地域や店でバラバラなので、混乱しやすい食材です。

もつは、牛や豚の内臓肉をまとめて指す総称で、胃・腸・心臓・肝臓など多くの種類があります。それぞれ味も食感も向く料理も違うため、種類を知ると選び方が一気に分かりやすくなります。

本記事では、農畜産業振興機構や食肉卸の一次情報をもとに、もつの種類を一覧で整理し、小腸・大腸・ミノなどの違いから、もつ鍋・もつ煮に向く選び方まで解説します。ホルモン全体の詳しい解説はホルモンの部位一覧もご覧ください。

もつの種類の分類
目次

もつとは(内臓肉の総称)

もつとホルモンの違い

もつは、牛・豚などの可食内臓(臓物)をまとめて指す総称です。「ホルモン」「畜産副生物」「内臓肉」もほぼ同じ意味で、関東では「もつ」、関西では「ホルモン」が多く使われる地域差があります。狭い意味では小腸だけを「もつ」と呼ぶこともあります。呼び名の由来などの詳細はホルモンの部位一覧で解説しています。

赤もつと白もつの分類

もつは色によって大きく2つに分けられます。肝臓や心臓など色の濃い「赤もつ」、胃や腸など色の薄い「白もつ」です。赤もつは鉄分などの栄養が豊富で濃厚な味わい、白もつは脂やコラーゲンが多く煮込みや鍋で旨みが出ます。もつ煮やもつ鍋で使われる多くは白もつにあたります。

もつの種類一覧

まずは代表的なもつの種類を一覧で確認しましょう。部位・別名・味や食感・向く料理をまとめました。

代表的なもつの一覧表

名称 部位(別名) 味・食感 向く料理
ミノ 第一胃 厚く弾力、サクッと淡白 焼肉
ハチノス 第二胃 柔らかく上品 煮込み・サラダ
センマイ 第三胃 あっさり、コリコリ 刺し・和え物
ギアラ 第四胃(赤センマイ) 濃厚、脂が乗る 焼肉・煮込み
マルチョウ 小腸(コプチャン・ヒモ) 脂が多くプリプリ もつ鍋・焼肉
シマチョウ 大腸(テッチャン) 脂控えめ、厚くコリコリ もつ鍋・焼肉
ハツ 心臓 クセ少なくコリコリ 焼肉・串
レバー 肝臓 濃厚、鉄分豊富 焼肉・煮込み
マメ 腎臓 クセ控えめ 焼肉・煮込み
フワ ふわふわ軽い 煮込み
ガツ 豚の胃 歯ごたえ、淡白 もつ煮・酢の物
シロ 豚の大腸 脂と弾力 もつ煮・もつ焼き

一覧から種類を選ぶ視点

種類は多いですが、選ぶ視点は「胃系(弾力・淡白)」「腸系(脂とプリプリ)」「赤もつ系(濃厚・鉄分)」の3グループで捉えると分かりやすくなります。焼肉で食感を楽しむなら胃系、鍋で脂の甘みを味わうなら腸系、栄養や濃い味を求めるなら赤もつ系、というように大づかみに理解しておくと、細かい部位名に迷っても料理に合ったもつを選べます。以下では、この分類に沿って胃・腸・その他の順にくわしく見ていきます。

牛の胃から取れるもつ

ミノなど牛の胃から取れるもつ

ミノ・ハチノス・センマイ・ギアラ

牛には胃が4つあり、それぞれが別のもつになります。第一胃がミノ、第二胃がハチノス、第三胃がセンマイ、第四胃がギアラです。

  • ミノ(第一胃):胃の中で最も大きく、厚みと弾力がある。サクッとした歯ごたえで味は淡白。
  • ハチノス(第二胃):蜂の巣のような見た目。煮込むと柔らかく、イタリア料理のトリッパにも使われる。
  • センマイ(第三胃):細かいヒダが特徴。脂が少なくあっさり、コリコリした食感。
  • ギアラ(第四胃):唯一消化液を出す胃で「赤センマイ」とも呼ばれる。脂が乗って濃厚。

4つの胃の役割と食感の違い

反芻動物の牛は、食べた草をミノ・ハチノスから口に戻して噛み直し、センマイ・ギアラへと送って消化します。4つの胃のうち、人間の胃のように消化液を出すのは第四胃のギアラだけで、残りの3つは発酵や水分調整の役割を担います。この役割の違いが、淡白なミノ、柔らかいハチノス、あっさりしたセンマイ、濃厚なギアラという食感・味の差につながっています。胃の番号と名前を取り違えている解説も多いので、第一ミノ・第二ハチノス・第三センマイ・第四ギアラの順を押さえておくと確実です。センマイの詳細はセンマイとは、ミノはミノとはでも解説しています。

腸から取れるもつ

小腸(マルチョウ・コプチャン)

小腸はマルチョウ・コプチャン・ヒモ・ホソなどと呼ばれ、脂が多くプリプリした食感が特徴です。コラーゲンが豊富で、もつ鍋の定番として人気があります。「コプチャン」は韓国語で小腸を指す呼び名です。

大腸(シマチョウ・テッチャン)

大腸はシマチョウ、またはテッチャンと呼ばれる同じ部位で、小腸より脂が控えめで厚く、コリコリした噛みごたえがあります。「テッチャンとシマチョウは別物」と誤解されがちですが、どちらも牛の大腸の別称です。

その他の内臓のもつ

胃や腸のほかにも、もつにはさまざまな種類があります。色の濃い赤もつ系と、それ以外に分けて見ていきましょう。

赤もつ系(ハツ・レバー・マメ)

色の濃い赤もつ系は、鉄分などの栄養が豊富で濃厚な味わいが特徴です。

  • ハツ(心臓):クセが少なくコリコリ。鮮度がよければ臭みもない。焼肉や串で人気。
  • レバー(肝臓):濃厚な味わいで鉄分・ビタミンが豊富。焼肉や煮込みに。
  • マメ(腎臓):クセは控えめで、鉄分やビタミンB2を含む。

その他のもつ(フワ・ガツ)

胃・腸・赤もつ以外にも、独特の食感を持つもつがあります。

  • フワ(肺):ふわふわと軽い食感で、煮込みに向く。希少で扱う店は限られる。
  • ガツ(豚の胃):歯ごたえがあり淡白で、もつ煮や酢の物に使われる。

これらは1頭からの量が少なかったり、下処理に手間がかかったりするため、専門店ならではの品ぞろえになりやすい部位です。鮮度が重要なので、扱いのしっかりした店で選ぶのが安心です。

もつの呼称の混同と対応表

もつは呼び名が地域や店で変わり、混乱のもとになります。同じ部位の別名と、注文時の注意点を整理しておきましょう。

同じ部位の別名対応

同じ部位でも別名で呼ばれる代表例を整理しました。

よくある呼び名 実際の部位
シマチョウ=テッチャン 牛の大腸(同じ部位)
マルチョウ=コプチャン=ヒモ 牛の小腸
ギアラ=赤センマイ 牛の第四胃
シロ 豚の大腸

注文・買い物での注意点

「コプチャン=大腸」と誤解されることがありますが、コプチャンは韓国語で小腸を指します。呼び名だけで判断せず、「小腸か大腸か」「脂は多いか控えめか」を確認すると、イメージ通りのもつを選べます。焼肉店では店ごとに呼称が異なることも多いため、迷ったら店員に部位を尋ねるのが確実。注文時にこの対応表を思い出せば、シマチョウとテッチャンのように「別物だと思っていたら同じだった」という取り違えを防げます。

もつ鍋・もつ煮に向くもつの選び方

もつ鍋に使われるもつ

もつ鍋に向く種類

もつ鍋には、脂の甘みととろける食感が出る牛の小腸(マルチョウ)が定番で、コリコリ感のある大腸(シマチョウ)もよく使われます。どのもつを選ぶかで仕上がりが変わります。詳しくはもつ鍋に使うもつの種類で解説しています。

もつ煮に向く種類

もつ煮には、豚の白もつ(シロ=大腸)やガツ、ギアラ・ハチノスなど、煮込むほど旨みが出る部位が向きます。じっくり煮込むことで柔らかく、味が染み込みます。作り方はもつ煮の作り方を参考にしてください。

もつの鮮度と保存の基本

もつ(内臓肉)は正肉よりも傷みやすいため、鮮度の見極めと保存、加熱の徹底が大切です。

鮮度の見分け方

新鮮なもつは、脂が白く艶があり、変色やぬめり、強い臭みがないのが目安です。赤もつ系(レバー・ハツ)は鮮やかな色つやのあるもの、白もつ系(腸・胃)は脂が黄ばんでいないものを選びます。内臓は鮮度が落ちると臭みが強く出るため、パックに水分(ドリップ)が多く出ているものや、色がくすんだものは避けましょう。もつは鮮度が命なので、扱いのしっかりした精肉店や専門店で買うのが安心です。

保存と加熱の注意

もつは購入後できるだけ早く使い切り、すぐ使わない分は下処理してから冷凍します。冷蔵なら1〜2日、冷凍でも1か月程度が目安です。また、牛・豚の内臓は生食が禁止されている部位が多く、家庭では中心までしっかり加熱するのが鉄則。とくに豚の内臓は必ず十分に火を通してください。下処理(塩もみ・下ゆで)で臭みと汚れを取ってから調理すると、安全でおいしく仕上がります。

もつの種類に関するよくある質問(FAQ)

もつとホルモンの違いは何ですか?

ほぼ同じ意味で、どちらも内臓肉の総称です。関東では「もつ」、関西では「ホルモン」と呼ばれる地域差があります。

もつは何種類ありますか?

牛の内臓だけでも約20種類あります。代表的なのは胃4種(ミノ・ハチノス・センマイ・ギアラ)、小腸・大腸、ハツやレバーなどです。

テッチャンとシマチョウは違いますか?

同じ部位の別称で、どちらも牛の大腸を指します。テッチャンは関西で多く使われる呼び名です。

もつ鍋に使うもつはどれですか?

主に牛の小腸(マルチョウ)と大腸(シマチョウ)です。脂の甘みととろける食感が鍋に合います。

もつ煮に使うもつはどれですか?

主に豚の白もつ(シロ=大腸)です。煮込むほど旨みが出て、柔らかく仕上がります。

まとめ|もつの種類と選び方

もつは、牛・豚の内臓肉の総称で、胃4種・腸・心臓・肝臓など多くの種類がある食材です。シマチョウ=テッチャン=大腸、マルチョウ=小腸といった呼称の対応さえ押さえれば、注文や買い物で迷いません。もつ鍋なら牛の小腸・大腸、もつ煮なら豚の白もつ、と用途で選ぶのがおすすめです。

ホルモン全体の詳しい解説はホルモンの部位一覧もあわせてご覧ください。

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