「ハラミのカロリーを調べると、サイトによって288kcalだったり344kcalだったり、401kcalだったりして、どれが正しいのか分からない」という声はよく聞きます。焼肉の人気部位だからこそ、気になる情報の正確さ。ハラミのカロリーの正しい数値は、どれなのでしょう。
この記事では、文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)の値を直接確認し、ハラミのカロリーと他の部位との比較を整理しました。結論から言うと、ハラミは「赤身の見た目」に反して、それなりにカロリーと脂質がある部位です。正しい数値と食べ方を紹介します。牛肉全体の部位別カロリーは牛肉のカロリーの記事で品種別に比較しています。
ハラミのカロリー
ハラミ(牛の横隔膜・副生物)のカロリーは、生で100gあたり約288kcalです。焼き上がり100gでは約401kcalになります(文部科学省の成分表による値)。まずはこの2つの数値が基本になります。

ハラミは牛の横隔膜
ハラミは牛の横隔膜の筋肉で、成分表では正肉ではなく「副生物」として収載されています。見た目は赤身そのものですが、分類としてはホルモンの仲間です。焼肉店のメニューでは「赤身」のコーナーに置かれることも多いですが、食肉の流通上の区分では内臓系の副生物に含まれます。
ハラミがどこにある部位か、呼び方の地域差などの詳しい解説はハラミの部位の解説の記事にまとめています。あわせて読むと、部位の全体像がつかめます。
なぜサイトによって数値が違うのか
検索すると288kcal・344kcal・401kcalなどさまざまな数値が出てきます。理由は主に2つあります。1つ目は「生の100g」と「焼き上がりの100g」では重さの基準が違うこと。2つ目は旧い成分表の値や、出典のない数値がネットに残っていることです。古い資料では344kcalと記載されたものもありますが、これは現在の公的な成分表の値とは異なります。
成分表の「焼き401kcal」は焼き上がり100gに換算した値です。焼くと水分(生で57g/100g)が蒸発して濃縮されるため、数値は生より高く出ます。実際に1枚を焼いて脂が落ちれば、食べる総カロリーは401kcalより少ない場合もあります。実食の考え方は後半で解説します。
ハラミと他の部位のカロリー比較
焼肉でよく食べる部位と、生100gあたりで比べてみました。比較はすべて「生の可食部100g」でそろえています。焼きの数値はハラミ以外に公的な収載が少ないためです。

部位別の比較表
| 部位 | カロリー | 脂質 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| ハツ(心臓・副生物) | 128kcal | ― | 低カロリーで人気 |
| もも(赤肉・和牛) | 176kcal | 10.7g | 赤身の低カロリー代表 |
| ヒレ(赤肉・和牛) | 207kcal | 15.0g | 柔らかく低脂質 |
| ハラミ(横隔膜・副生物) | 288kcal | 27.3g | 赤身の見た目だが脂質多め |
| 牛タン(舌・副生物) | 318kcal | ― | 濃厚な味わい |
| カルビ(バラ・脂身つき) | 338〜472kcal | ― | 品種で大きく変わる |
| ロース(サーロイン脂身つき) | 460kcal | ― | 霜降りの高カロリー代表 |
※文部科学省 日本食品標準成分表(八訂)増補2023年・生・可食部100gの値です。カルビ・ロースは品種により幅があります。詳細は牛肉のカロリーの記事で品種別に比較しています。
この表を見ると、ハラミは「カルビより低く、ヒレより高い」中間〜やや高めの位置づけです。「赤身に見える=低カロリー」ではない代表例が、この表から読み取れます。牛タンと近い数値であることも、意外に感じるかもしれません。
サガリとの違い
焼肉店では「ハラミ」と「サガリ」を分けて出す店もあります。サガリは横隔膜の腰椎に近い部分で、流通上の区別は「位置」によるものです。ハラミは肋骨に近い側、サガリは背骨に近い側という違いがあります。
ただし成分表では「横隔膜」として一括で収載されており、サガリだけの公的なカロリー値はありません。「サガリのほうが低カロリー」と断じるデータはない、というのが正確な理解です。部位の詳しい話はハラミの部位の解説の記事をご覧ください。
ハラミの栄養と見た目のギャップ
カロリーが高めな一方、ハラミにはうれしい栄養もたくさんあります。赤身の色をしているのには理由があり、その正体は豊富なミネラルにあります。
鉄・亜鉛・ビタミンB12
ハラミは赤身の色のとおり、ミネラルが豊富です。生100gで鉄3.2mg・亜鉛3.7mg・ビタミンB12 3.8µgを含みます(文部科学省の成分表による値)。鉄は牛肉のもも赤肉(2.8mg)より多い値です。赤い色の正体は、この鉄分を含むミオグロビンという色素たんぱく質です。
たんぱく質は生100gで14.8gです。焼くと21.1g(焼き上がり100g)と濃縮されます。ミネラルとたんぱく質のバランスは、赤身肉らしい魅力です。牛肉の栄養の特徴は肉の栄養の記事で牛・豚・鶏を比較しています。
「ヘルシー」と言われる理由
ハラミが「ヘルシー」と紹介されることがあるのは、①見た目が赤身であること、②鉄などのミネラルが豊富なこと、③食べごたえがあるのにカルビより脂が少ないこと、などの理由からです。確かにカルビよりは脂質が少ないですが、赤身肉のヒレやももと比べると多いのが実態です。
脂質27.3g(生100g)は「低脂質」の部類ではありません。ダイエット中に食べるなら「量と調味と食べる順番」を工夫するのがポイントです。具体的な食べ方は後半で解説します。
- たんぱく質14.8g/100g(生)で食べごたえ十分
- 鉄3.2mg・亜鉛3.7mgは牛肉の中でもトップクラス
- 脂質27.3gは「赤身の見た目」より多い→量の管理が大切
太りにくいハラミの食べ方
ハラミは、量と調味を工夫すれば、ダイエット中でも楽しめる部位です。ここでは、実際に食べる量の目安と、調味料の選び方のコツを3つに分けてご紹介します。焼肉店で目の前にハラミが運ばれてきたとき、迷わず実践できる内容です。
1食の目安と実食カロリー

まず、1食で食べる量の目安は、主菜として焼いた肉で100g前後です。焼肉店で提供される1人前は、部位や店舗によって異なりますが、生で80〜120g程度が一般的です。そのため、1人前を注文すれば、ほぼ1食分の目安に収まると考えてよいでしょう。もちろん、これはあくまで主菜としての量です。ほかにおかずやごはんを食べる場合は、その分を差し引いて調整してください。
実際に食べるときのカロリーを、具体的な計算例で確認してみましょう。ハラミ1人前(生100g)を塩で食べた場合、約288kcal相当です。ここに焼き肉のタレを大さじ1(約18g)付けると、約30kcalが追加されます。さらに、ごはん小盛り(100g・約160kcal)を合わせると、合計で約480kcal程度というイメージです。これはあくまで計算の目安ですが、「肉だけのカロリー」ではなく「食事全体のカロリー」を考える習慣が、太りにくい食べ方の第一歩です。
なお、先ほどご紹介した「焼き上がり100gで401kcal」という数値は、焼く前の生の状態から脂が落ちた後の換算値です。実際に口にする量は生の状態から変化するため、日々の管理では「生の状態で何g食べたか」を基準に計算するのが実用的です。脂が落ちれば総カロリーは減る場合もありますが、焼き加減や部位によって差が出るため、あくまで目安として捉えてください。
タレと塩、どちらを選ぶか
カロリーの観点から比較すると、塩やレモンでの味つけが圧倒的に軽い選択肢です。塩だれや塩こしょうはほぼ0kcalで、カロリーの上乗せはわずかです。一方、焼き肉のタレは、文部科学省の成分表(八訂)によると100gあたり164kcal・食塩相当量8.3gです。市販の甘口タレは大さじ1(約18g)で約27〜30kcal・塩分約1g程度の上乗せになります。さらに糖質も含まれるため、タレをたっぷり付ける習慣は、知らないうちにカロリーと塩分を積み重ねる原因になります。
とはいえ、「焼肉=タレ」という楽しみ方を否定する必要はありません。タレを楽しみたいときは、小皿に少量つける・ごはんは小盛りにする、の2つをセットで実践するのが現実的です。肉全体にタレをかけるのではなく、箸でひと口サイズの肉をタレに軽くくぐらせる程度なら、使用量を抑えられます。
量と調味のコツをまとめると、次の3つが基本です。
- 焼いた肉で1食100g前後を目安にする
- 味つけは塩・レモン中心に、タレは小皿に少量つける
- ごはんは小盛りにして、野菜のおかずを先に食べる
焼肉の食べ順とハラミの楽しみ方
「野菜から食べれば太らない」という話を聞いたことはありませんか。この食べ順に関する情報は、部分的に正しく、部分的に誤解を生んでいます。ここでは、正しい理解と、焼肉の場面で実用的な順番を整理します。
「ベジファースト」の正しい理解
厚生労働省の資料では、野菜→たんぱく質→炭水化物の順で食べると、食後の血糖値の上昇を抑える可能性があるとされています。これは、食物繊維を先に摂ることで糖の吸収が緩やかになるためです。焼肉の場面でいえば、最初にサラダやキムチをひと口食べてから、ハラミなどの肉を楽しむのは理にかなった方法です。
ただし、ここで重要な注意点があります。食べ順だけで体脂肪が減る保証はありません。厚生労働省のe-ヘルスネットでも、1日の総エネルギー(食べる量全体)が本質であると解説されています。「野菜から食べたから大丈夫」と思って食べすぎてしまうと、食べ順の効果を帳消しにしてしまいます。食べ順はあくまで補助的な工夫であり、基本は1食・1日のトータルカロリーの管理です。
焼肉でのおすすめの食べ順
では、実際の焼肉の場面ではどのような順番で食べるのがよいでしょうか。実用的な例は次のとおりです。
- 最初に野菜(サラダ・キムチ)をひと口食べる
- ハラミなど肉は塩から楽しむ
- ごはんは最後に小盛りで食べる
- 飲み物は糖質の多いものは控えめにする
最初に野菜を食べることで血糖値の上昇を抑える可能性が高まり、肉を塩で食べることでタレのカロリーを節約できます。ごはんを最後に回すのも、血糖値の観点から理にかなった順番です。飲み物については、糖質の多い清涼飲料水より、お茶や水を選ぶとトータルの糖質を抑えられます。
また、食べ方そのものの注意も欠かせません。ハラミは副生物(内臓)の区分に含まれるため、生焼け厳禁です。厚生労働省の資料では、肉は中心部まで十分に加熱し、中心部75℃で1分以上が目安とされています。焼肉店では自分で焼くスタイルが一般的ですが、表面が焼けただけで食べるのは避け、必ず中心部まで火を通してください。おいしさと安全は、どちらも外せない条件です。
ハラミは副生物(内臓)の区分です。必ず中心部まで十分に加熱して食べてください(中心部75℃で1分以上が目安・厚生労働省)。焼肉の網では、色が変わっただけで食べず、切り口を確認して中まで火を通しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. ハラミは太りますか?
A. 食べ方次第です。ハラミは生100gで約288kcal・脂質27.3gと、赤身の見た目に反してカロリーと脂質が高めです。焼いた肉で1食100g前後を目安にし、塩中心・ごはん小盛りなら、ダイエット中でも楽しめます。
Q2. ハラミは何gまでなら大丈夫ですか?
A. 主菜として1食100g前後が目安です。焼肉店の1人前は生80〜120g程度で、おおよそこの範囲に収まりますが、店舗によって異なります。タレやごはん、ほかのおかずとの合計で調整しましょう。
Q3. サガリとハラミはどちらが低カロリーですか?
A. 公的なデータでは区別できません。サガリ(横隔膜の腰椎側)は成分表で「横隔膜」に一括で収載されており、サガリ単独のカロリー値はありません。焼肉店によって切り出しが違うため、気になる場合は店に確認するのが確実です。
Q4. ハラミのカロリーはサイトによって違うのはなぜですか?
A. 主に「生の100g」と「焼き上がりの100g」の基準の違いと、旧い成分表や出典のない数値がネットに残っているためです。文部科学省の成分表(八訂)では生288kcal・焼き401kcal(焼き上がり100g換算)です。
Q5. タレと塩はどちらがいいですか?
A. カロリーと塩分の両方の観点なら塩・レモンがおすすめです。市販の甘口タレは大さじ1(約18g)で約27〜30kcal・塩分約1g程度。タレを楽しむなら小皿に少量つけるのがコツです。
Q6. 野菜から食べれば太りませんか?
A. 野菜→肉→ごはんの順は食後血糖の上昇を抑える可能性がありますが(厚生労働省)、食べ順だけで体脂肪が減る保証はありません。1日の総エネルギーが本質です。食べ順はあくまで補助と考えましょう。
精肉売場では「ハラミはヘルシーだと聞いたのですが」と聞かれることがあります。ハラミは確かにミネラルが豊富で食べごたえがありますが、脂質もそれなりにある部位です。カロリーを気にされる方には、①量(1食100g前後)②味つけ(塩・レモン中心)③焼き方(脂を落としながら網で焼く)の3つをおすすめしています。おいしさと健康は、この3つで両立できます。
まとめ
- ハラミは生100gで約288kcal(焼き上がり100g換算では約401kcal)。「赤身の見た目≠低カロリー」です
- 鉄や亜鉛などのミネラルは豊富なので、量を守ればうれしい部位です
- 食べ方のコツは、焼いた肉で1食100g前後+塩中心+ごはん小盛り。野菜から食べるのは補助で、総エネルギーが本質です
ハラミは、数値を正しく知って量を守れば、焼肉の日もダイエットも両立できる部位です。この記事の3つのコツを、次の焼肉の日に役立ててください。
「はじめの肉屋」では、ハラミや牛肉の部位・栄養についての詳しい記事も公開しています。あわせてご覧ください。
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