「焼肉店のテッチャンって、シマチョウと何が違うの?」「マルチョウとも紛らわしい」── テッチャンを前に、こんな疑問を持つ方は少なくありません。呼び名が多く、似た腸の部位と混同しやすいのが原因です。
結論から言うと、テッチャンとシマチョウはまったく同じ部位(牛の大腸)で、呼び方が違うだけです。本記事では、テッチャンという呼び名の由来や地域差、混同しやすい部位との違いを、精肉のプロの視点で整理します。大腸の味わいや焼き方・もつ鍋での使い方はシマチョウとは?大腸の特徴・焼き方で詳しく解説しています。

テッチャンの部位と語源
牛の大腸という部位
テッチャンは、牛の大腸にあたる部位です。厚みがあり、脂の甘みとコリコリ・プリプリした弾力を併せ持ちます。牛1頭から約1.5〜5kgと取れる量が限られる、人気の高い希少部位です。
テッチャンの語源
「テッチャン」という名前は、朝鮮語で大腸を意味する「대창(テチャン)」に由来します。「テ(大きい)」+「チャン(腸)」で大腸という意味です。ちなみに小腸は「곱창(コプチャン)」と呼ばれ、テチャン(大腸)とコプチャン(小腸)は対になる言葉です。
テッチャンとシマチョウの違い
同じ部位を指す別名
テッチャンとシマチョウは、同じ牛の大腸を指す別名です。大腸の内壁にある無数のヒダが縞(しま)模様に見えることから「シマチョウ」と呼ばれ、朝鮮語由来で「テッチャン」とも呼ばれます。中身はまったく同じ部位です。
関西テッチャンと関東シマチョウ
呼び名には地域差があり、関西では「テッチャン」、関東では「シマチョウ」と呼ばれる傾向があります。同じ内臓を、関西では「ホルモン」、関東では「もつ」と呼ぶ傾向があるのと同じ構図です。お店によって表記が違っても、指しているのは同じ大腸だと知っておくと迷いません。
テッチャンと混同しやすい部位の違い
テッチャンと紛らわしい腸の部位を整理しておきましょう。
| 呼び名 | 部位 | 特徴 |
|---|---|---|
| テッチャン/シマチョウ | 大腸 | 厚くコリコリ、脂の甘み |
| マルチョウ/コプチャン/ホソ | 小腸 | 脂が多くとろける |
| テッポウ | 直腸 | 大腸の末端で硬め |
マルチョウ・テッポウとの違い
とくにマルチョウ(小腸)はテッチャン(大腸)とは別部位で、混同されやすいので注意が必要です。マルチョウは脂が多くとろけるような食感、テッチャンは厚みがありコリコリとした噛みごたえと、食感もはっきり異なります。また、韓国料理店で見かける「コプチャン」も小腸を指すため、大腸のテッチャンとは別物です。大腸の末端にあたる「テッポウ」は硬めで、こちらも別の部位。もつの種類全体の呼び名はもつの種類一覧で整理しています。
「豚テッチャン」表記の注意
なお、まれに「豚テッチャン」という表記も見かけますが、これは豚の大腸ではなく豚の胃袋(ガツ)を指して使われることが多く、店による呼称のブレがあります。基本的に「テッチャン」は牛の大腸を指す言葉と覚えておけば間違いありません。呼び名が紛らわしいときは、店員に「牛の大腸か、小腸か」を確認するのが確実です。焼肉店では同じ大腸でも「テッチャン」「シマチョウ」「大腸」と表記がまちまちなので、迷ったら食感(コリコリか、とろけるか)で見当をつけるとよいでしょう。
テッチャンの味とカロリー
テッチャンならではの食感と、カロリーの目安を押さえておきましょう。
食感と脂の甘み
テッチャンは、厚みのあるプリプリ・コリコリした食感と、脂の甘みが魅力です。マルチョウのように口の中でとろけるタイプではなく、しっかりとした厚みを噛みしめて味わう食べ応えのある部位。脂は甘くクセが少ないため、タレでも塩でも美味しく、焼肉のメインを張れる存在感があります。よく噛むほどに脂と旨味がにじみ出るのが、大腸ならではの魅力です。
脂の甘みと弾力のバランスが、テッチャン人気の理由です。噛み始めはコリッとした歯ごたえ、噛み進めると脂の甘みがじゅわっと広がるという二段階の味わいは、他のホルモンにはない特徴。ビールやハイボールとの相性も抜群で、焼肉店では「まずはテッチャンから」というファンも少なくありません。脂が苦手な方でも、下ゆでで軽く脂を落とせばあっさり食べられ、コリコリ感だけを楽しむこともできます。
カロリーと栄養
カロリーは、文部科学省の食品成分表「牛・大腸(生)」で100gあたり150kcal(たんぱく質9.3g・脂質13.0g)。同じ腸でも小腸(マルチョウ)は約287kcalと高く、大腸のテッチャンはホルモンの中では比較的脂控えめな部類です。ビタミンB12なども含みます。焼肉では焼くことで余分な脂が落ちるため、実際に口に入るカロリーは数値より抑えられます。とはいえ脂の甘みが魅力の部位なので、カロリーを気にしすぎず、下ゆでで脂を調整しながら適量を楽しむのがおすすめです。もつ鍋にすればスープに溶け出した脂ごと野菜と一緒に食べられ、栄養バランスもとりやすくなります。味わいや焼き方・もつ鍋での使い方の詳細はシマチョウとは?大腸の特徴・焼き方をご覧ください。
テッチャンの焼き方と選び方
厚みのあるテッチャンは、焼き方と選び方のコツを押さえると格段に美味しくなります。
焼き方の基本
焼き方の基本は、皮面からじっくり焼き、脂が透明になった頃が食べ頃です。強火で一気に焦がすと脂が飛んで硬くなるため、中火でじっくり火を入れます。厚みがあるぶん火の通りに時間がかかるので、焦らずに脂側の様子を見ながら焼くのがコツ。焼きすぎるとゴムのように硬くなるため、ふっくらしたうちに引き上げましょう。
網焼きの場合は、落ちた脂に火が引火しやすいので注意が必要です。脂の多い面を上にして皮面から焼き、炎が上がったら位置をずらすと、焦げずにきれいに焼けます。家庭のフライパンやホットプレートなら、アルミホイルを敷くと脂が落ちすぎず、うま味を逃さず焼けます。内臓のため中心までしっかり火を通すことが大切で、断面の赤みが消えるまで加熱するのが安全の目安。くわしい焼き方やもつ鍋での使い方はシマチョウの記事で解説しています。
新鮮なテッチャンの選び方
選ぶときは、脂が白〜クリーム色でツヤがあり、厚みのある新鮮なものを選びましょう。脂が黄ばんでいたり、ぬめりや強い臭みがあるものは鮮度が落ちているサイン。内臓は傷みやすいので、購入後は早めに調理するのが基本です。スーパーでは手に入りにくいため、下処理済みで鮮度のよいものを求めるなら、精肉専門店や通販が確実です。冷凍品を使う場合は、冷蔵庫でゆっくり解凍するとドリップが出にくく、味と食感を保てます。まとめ買いしたときは、一回分ずつ小分けにして冷凍しておくと便利です。
テッチャンの下処理
大腸であるテッチャンは、下処理を丁寧に行うことで臭みが抑えられ、持ち味が引き立ちます。
臭みを抜く下処理
テッチャンの臭みの原因は、付着した脂と汚れです。塩でもみ洗いしたあと、たっぷりの湯で10分ほど下ゆですると、余分な脂とアクが抜けて食べやすくなります。牛乳や小麦粉でもみ込む方法も臭み取りに効果的。市販のテッチャンは下処理済みで売られていることも多く、その場合は軽く洗うだけで使えます。下ゆでの湯に生姜やねぎの青い部分、酒を加えると、香りがすっきりして臭みがさらに抑えられます。厚みのある大腸は火が通りにくいため、下ゆでの時間はやや長めにとるのがコツです。
脂の量の調整
テッチャンは脂の量が味を大きく左右します。こってり楽しみたいなら脂を残し、あっさり食べたいなら下ゆでで脂を落とすと、好みに合わせられます。もつ鍋に使う場合は脂を活かすとスープにコクが出て、焼肉では脂を軽く落とすと重くなりすぎません。用途によって脂の扱いを変えるのが、大腸を美味しく食べるコツです。脂をどこまで残すかは好み次第なので、初めてなら少し残しめにして、次回から調整すると自分に合った加減が見つかります。
テッチャンに関するよくある質問(FAQ)
テッチャンとシマチョウは同じですか?
同じ牛の大腸です。呼び方の違いだけで、関西では「テッチャン」、関東では「シマチョウ」と呼ばれます。
テッチャンの語源は何ですか?
朝鮮語で大腸を意味する「대창(テチャン)」に由来します。テが大きい、チャンが腸を意味します。
テッチャンとマルチョウの違いは何ですか?
テッチャンは大腸、マルチョウは小腸で別の部位です。マルチョウのほうが脂が多くとろける食感です。
テッチャンのカロリーはどれくらいですか?
文部科学省の成分表では牛・大腸(生)100gあたり150kcalです。脂の付き方で幅があります。
テッチャンの美味しい焼き方は?
皮面からじっくり焼き、脂が透明になった頃が食べ頃です。詳しくはシマチョウの記事をご覧ください。
まとめ|テッチャンの部位と呼び名
テッチャンは、牛の大腸で、シマチョウと同じ部位の別名です。関西でテッチャン、関東でシマチョウと呼ばれ、語源は朝鮮語の「テチャン(大腸)」。マルチョウ(小腸)とは別物という点さえ押さえれば、注文や買い物で迷うことはありません。
呼び名の多さに戸惑いがちなホルモンですが、「テッチャン=シマチョウ=牛の大腸」という等式を覚えておけば、どんな表記でも迷いません。厚みのあるコリコリ食感と脂の甘みは、焼肉でももつ鍋でも主役級。下処理済みの新鮮なものを選び、中火でじっくり焼けば、家庭でも専門店に近い味を楽しめます。スーパーで見つけにくいときは、精肉専門店や通販を活用するのがおすすめです。
大腸の味わい・焼き方・もつ鍋での使い方はシマチョウとは?大腸の特徴・焼き方、ホルモン全体はホルモンの部位一覧をご覧ください。

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